ジンベエザメ
となりのサトウキビ畑も刈り取りが終わって最後の片付けにクレーン車の音が響く。ここにも季節の一巡を感じる。別の菊農家からは白菊が不足したんで分けてくれと依頼があり、アルバイトのインドネシアの若者スギ君が使いっ走しりにやってきた。沖縄ではほんとに多くのインドネシア人が働いている。
ベルトコンベアの出荷作業場からは南部一の大病院の病棟が見える(南部病院)。窓から外を眺める入院患者たちの中には汗水流して働ける普通の日々を待ち望んでいる者も多いだろう。
ラジオからこんなコマーシャルが流れてくる。親子の会話だ。沖縄水族館のCMだが。
子供「ねえねえ、一番大きな魚知ってる?ザトウクジラで大きさがこうこうで・・・。じゃぁさ~、ジンベエザメって知ってる?大きさが・・・なになにで・・」と夢中で話す子供に、お父さんが話しの途中で「カズ・・・、本物を見に行こうか」と話しかける、当たり前の日常の親子の会話だ。ただ、カズ!と呼びかける声に、つい子供の頃のカズと二人で連れ立ってあちこち魚釣りに出かけた頃を思い出す。