好奇心okinawa’s blog

観光タクシーから見た沖縄

奇跡

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偶然通り掛かった漁船、運良く捕まえたカモメ、雨水、時々流れてくるココナツ・・・奇跡は偶然の積み重ねだ。トムソーヤの冒険、老人と海やジョン万次郎の漂流などを彷彿(ほうふつ)とさせる。

15歳2人と14歳の少年3人。トケラウ諸島で沖の環礁帯までこぎ、流れの速い外洋に出てしまった。必死にこいだが、島はどんどん離れていった。はるか離れたフィジー諸島沖で手を振る3人を発見したタイのマグロ漁船乗組員は「どうした、助けを求めてるのか?」と大声で尋ねると、少年らはかれた声で「ベリー・マッチ・ソー(とっても)」と英語で答えたという。少年3人の50日の漂流生活が終わった。

大きな海にポツンと取り残された時、少年達は何を話し合ったんだろう。助けられた時、枯れた声で「ベリー・マッチ・ソー(とっても)」と英語で答えた・・・。これは、(とっても)と訳されてるけど(ありがとう)という意味で言ったに違いない。へとへとになって満足に喋れない(だと想像する)片言の英語で答えるあたりに赤道直下の島で鍛えたあるいは若い少年の強靭なエネルギーを感じる。

なんでこんな小さな記事に心がわくわくするんだろう。自分も結構あちこち旅を経験してきた。どうしてもこの3名の少年の感情の動きが気になる。諦めた家族達は島民たちとともに追悼式(葬儀)を終えていた。奇跡の報を聞いた家族達は天を仰いで涙を流したという。そういえば、私も若かりし頃、訳の分からないイスラム諸国やパキスタン、インド、ネパールあたりを2ヶ月かけて旅して帰ってきたら迎えたお袋が泣いていた。
奇跡の生還となってなければこんなブログは書けない。私も奇跡とまではいかなくても、あちこちで多くの見知らぬ現地人たちに助けられたことを忘れたことはない。奇跡の境目の不思議さを思う。