好奇心okinawa’s blog

観光タクシーから見た沖縄

2017ノーベル文学賞



石黒一雄(62)、違った、Kazuo Ishiguroだ。長崎生まれ、5歳のとき父の仕事で(黒海油田)英国へ。そのまま英国での教育をうけ28で英国国籍へ。日本語はほとんどわからない。

突然のノーベル文学賞受賞に日本人の作家と言われて、誰だ・・・と。Wikipedeaで調べたら、なるほどだ。長崎県民の皆さんもほとんど知らなかったんだろう、号外を手にして「ばんざい!」、本屋は急きょ石黒コーナー設置。早川書房の増刷はほとんど間に合わない。
ま、久々にうれしいニュースだった。



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「孔雀の道」、陳舜臣(ちんしゅんしん)著。これも「玉嶺よふたたび」と一緒に日本推理作家協会の受賞だ。
舞台は神戸生まれの英国人ローズ、5歳の時日本人である母を火事で亡くし、東京に引っ越し14歳まで過ごし、その後父の母国英国へ移り住む。父が亡くなり2年後、27歳になって13年ぶりに母の故郷日本に戻ってくる。母の死の真相と日本人のルーツを探して。
著者の陳舜臣も神戸生まれだが中国、台湾、日本の国籍を持ってる稀有な作家だ。才能は言うまでもない文句なしの推理小説初の3冠受賞者だ(江戸川乱歩賞直木賞日本推理作家協会賞)。どちらの文化も熟知してるからこそ書ける国境を越えた微妙な小説。

ノーベル受賞の英国国籍の石黒さん、両親が日本人なので国際感覚も芸術感覚もルーツは日本だと言う、それでも英国の貴族社会をはじめ英国人ならでは書けない微妙な小説感覚。残念ながら英語本だからその微妙さを読み説くのは無理だ。

陳舜臣、石黒一雄、異なる文化を体現してるのが、似てる。

民族、異種文化、幻想の壁は厚い。