好奇心okinawa’s blog

観光タクシーから見た沖縄

定年後

「お店は楽しいかね。定年がないのはいいが、一生シェーカーを振るってのもどうかな」過去に立派な肩書、経歴をもって今は定年を迎えた客は言った。
バーテンダーは優しく笑って言った。「お客さんは時給500円で働いた事がありますか」
「どういう意味だ」
「そういう時の人間は二つに分かれます。500円にしかならないと分かっていても精一杯働く奴と、手を抜いて時間をつぶす奴です。結果は同じでしょうか」
「何が言いたいんだ」
「結局、手を抜いた奴は時給千円でも同じことをします。それが一生続くんです。たとえ世間的には成功しても人生の本当の喜びや充足とは無縁のままでしょう。老いてそのまま終わるのも、手遅れの人生に気付くのも不幸ですが、500円の値打ちもない生き方を選んだ結果ですから仕方ありません。時間をかけて人生を台無しにする人の気持ちが、私にはわかりませんね」

しばらくして彼は肩を激しく揺する手に気づいた。妻だった。 「あなた、帰りましょ」 「そんなに飲んじゃいないさ、そうだろう」と午後早くから飲んでる客。 「もう夜更けですよ」
「俺はどこも病んでない。ただ考えすぎる事がありすぎるんだ。・・・。これからどうすればいいのか答えが見つからないんだ。・・・500円以下の人生か、冗談じゃない」
妻は言った。「わかります、私にもそういう時がありましたから。でも、手遅れにならないうちに病院へ行きましょう。今日とてもよいお医者様が見つかったのよ」

イメージ 1測量ポイントは谷奥やミキサーの頻繁に行きかう道端やぬかるんだ農道だけではない。ビルの屋上でも行う。
これ持ってって。ときには会話を交わすそばの農家から差し入れもいただく。
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