好奇心okinawa’s blog

観光タクシーから見た沖縄

読書、旅

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懐かしい菊畑。収穫の終わったあとの残り菊だ。網棚やスプリンクラーや電照ランプ、雑草。
農道での読書、止まらない。なんで本を読むのか?という人がいる。返答に困る。見たこともない人に見たといっても分かってもらえないからだ。
ん、これは一つの返答に使えるな。
<早苗はおそらく都会の学生よりも多読する。読むことで人間も人生も膨らむ気がするし、自分にはない物の考え方や苦悩や人のありようを知る。他人の人生に触れていると自分の人生を客観視できるようになって、重たい現実は軽くなり、生きてる空間が色づく。>
乙川優三郎の「トライアイト シャッフル」≪ビア・ジン・コーク≫からの抜粋だが、乙川の文章はいい。
<造られた大げさな花園を巡りながら、綺麗ねえなんて言ってる女たちの目は節穴ですよ、美しいものを集めたからって美しいものになるもんですか、芝居だって、美人だけの舞台なんて観られたもんじゃありませんよ。>
とか、よく「旅」ってなに?と聞かれることにも、こんなのもある。
<美しいだけの絵はいけませんね。わたしなら思い切って旅をします。世界を見なさい、パリの場末の店で飲んだくれて馬鹿にされてみなさい、日本の漁師町や山村で一生を送る人間の営みを見なさい。・・・悲しみに沈むより心に明かりを灯すほうが素敵ですが、悲しみを知らない人生なんておもしろくもないでしょう、・・・よい喜劇には悲しみがたくさんいるのよ。>
乙川の「太陽は気を失う」≪悲しみがたくさん≫からの抜粋。

イメージ 2農道にいても、世界は広がる。