好奇心okinawa’s blog

観光タクシーから見た沖縄

「なんの本を読んでるんですか?」 GPS人工衛星のデータを地上で受信中の間は車の中で本を読んで過ごす、と、同行の測量士が声を掛けてきた。「乙川優三郎のトワイニング・シャッフルです」
「どういう意味ですか?」 ・・・そういえば、どういう意味か・・・「(陽が沈んだ)たそがれ時の、混ぜ合わせ・・・」、直訳するとそういう意味だけど、「そうだねぇ~、敢えて自分流に意訳すると、人の<別れ>時のさまざまな思惑・理由・・ってところかな」
あまり自信はないが、13篇の短編を読んでるとそういう意味合いにとれる。

イメージ 1「しまった!」、一気に読み続けて、まだ仕事が終了前だというのに完読、時間を持て余した。帰りにあわてて次の本を購入。乙川の現代小説「脊梁山脈」、「トワイニング シャッフル」に続いての3冊目、「The sun also falls into a faint(太陽は気を失う)」だ。なんか、教科書で教わったまんまのような、変な英語だ。
乙川の時代小説は「生きる」(直木賞受賞)を筆頭に、優れているのは疑いもないが、最近はどうした・・現代小説に挑戦してるのか。時代小説の凄さを知ってるから理解できるが、最初に現代小説を読んだ人は乙川を普通の作家くらいにしか思わないかも。ピカソの抽象画を最初に見た人が、なんじゃこりゃと思うのに似ている。ピカソの抽象画以前の若き日の普通の(?)絵画をみると、へぇ~、こんな普通の凄い絵も描けるんだ~、普通を通り越したあとこうなったのかと理解できる。
ま、どうでもいいか。明日は雨の予報。農道の中の測量も、本さえあればなんとでも過ごせる。