好奇心okinawa’s blog

観光タクシーから見た沖縄

木地師(きじし)

警察のfacebookの指名手配写真に不満を持った犯人が「この写真を使え」と男前の写真を送ってきたという(オハイオ州、アメリカ)。ま、ISのプロパガンダよりはほのぼのとする。

インターネットなんか全く不要な世界がある。
木地師(きじし)」か、日本にもこんな遊牧民みたいのがつい最近までいたんだな。砂漠や高原ではなく、移動して住み着く先が木々が生い茂る深い山奥というだけの違い。ろくろを回して木を削ってコケシや椀やお盆などを作るなりわい。明治に定住所が義務化されたため自然にすたれていったが、その血を引き継いでる子孫はもちろん今でもいる。歴史は9世紀平安時代にまで遡(さかのぼ)るから凄い。

「今度戦争があったら山の奥に逃げるつもりです。細々とですが生きていける人間がどうして外地で知りもしない人たちと殺しあわなければならなかったのですか。深山(みやま)の奥のそのまた奥へ入り込めば誰にも見つけられません、この次はきっとそうします」 戦地で地獄を見て帰還してきたある「木地師」のセリフ。「脊梁山脈」の一節。しかし、乙川優三郎の文章表現はストイックで過剰な表現がなく読んでいて心に澄み渡る。

イメージ 1もう何日このぐずついた天気が続いているんだろう。電話だ。「お、どうした、散歩?こんな寒い小雨の中をか!」 これついで、と持ってきたのは「中身汁」と「苦菜」。なんなんだ・・・ま、こんな夜は温かい「中身汁」は数倍の美味しさがある。
木地師の冬・・・焼け跡のバラックを体験している主人公も想像を超える荒れた人家に・・・小説の山奥の情景が浮かぶ。