好奇心okinawa’s blog

観光タクシーから見た沖縄

複雑の思い

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昨日の「複雑」というタイトル、やっぱりちょっと説明を付け足そう。
目の前にサトウキビの畑が広がる読谷(よみたん)村、その沖には国立公園指定になったばかりの慶良間諸島の島陰。ふぅ~、なんてのどかな風景。その慶良間諸島で起こった集団自決はあまりにも有名だが、ここ読谷村「チビチリガマ」にも悲劇があったとは想像し難い。昨日はそのあまりのアンバランスさに写真は掲載できなかったた。(↑写真は毎日お世話になってる慶良間諸島高速船)
 
うっすらとした洞窟に降りていくとまずせせらぎの音に驚く。広大な畑地の地下に眠る水が石灰岩の割れ目から流れ出てきてまた岩の切れ目に姿を消す、ほんのわずか地表に出ているせせらぎが洞窟のそばを流れている。話しが途中で途切れてこの先何を言いたかったのかがわからないことを「尻切れトンボ」というが、「チビ(尻が)チリ(切れる)ガマ(洞窟)」の名前の由来だ。140数名の村人のうち80余名が集団自決した。薬物を注射し、それがなくなると親子や兄弟姉妹など身内どおしで首を絞めカマや包丁で互いに刺し殺して。その半数が12歳(小学生)以下の子供達だ。「米軍鬼畜」とのサイパン戻りの引退した軍人二人の影響だ。
面白いのは数百m離れたところの「シムクガマ」にいた1000人余の村人は全員死なずに済んだ。ここはハワイ帰りの英語を喋れる二人の民間人がいたからだ。彼ら二人は「アメリカは投降した人を殺しはしない。自分たちが戻ってこなければ自殺でもなんでもしろ」と先に壕を出て無事を見せたからだ。
この二人はさ、英語を喋るアメリカ帰りという理由で村人たちから「非国民」と非難され肩身の狭い思いをしてたんですよ。
こんな違いで多くの子供達や村人の生死が左右された。・・・複雑でしょ。