過ぎてしまえば

先週13日アンパンマンのやなせたかしさん(94)も亡くなった。多くの人に見守られて、柩にはアンパンマンのキャラクターが入れられて。逸話は多いが、亡くなってから明らかになるもんだな。子供の頃帰りの電車賃を落として歩いて帰った。腹ペコで歩いているとき、見知らぬおじさんからアンパンをもらったという話などその一つだ。

 

入院中引退を告げていたが、３．１１東北大震災が起こり、被災地こどもたちから「大丈夫です。アンパンマンが助けに来てくれるから」の言葉を聞いて、「引退は撤回だ。死ぬまで引退だ」と。

 

入院中季刊誌に寄せた詩。(遺作となった)

＜いつもこれが最後と思って書いています。一世紀近く生きてきましたから、もうおしまいです。あっという間でしたね、過ぎてしまえばあっけない。

僕は未熟の生まれ。死ぬときも未熟のままでかえってよかったような気もします。

ところであなたは？＞

こうもあっけらかんと、あなたは？と問われても、問いかけの意味も返答も出てこない。お見事な最後だ。

その後の伊豆大島台風大災害は見ずに済んだ。ほんとに、あっという間だ。