氷水(ひすい)
平安時代の「源氏物語」(紫式部)には、暑い日には氷水をご飯にかけた「水飯」を皆で食したと書き残されている。冬、池に張った氷を山間部の氷室(ひむろ)で保存していた氷だ。まさか、さすがに「かき氷」はなかっただろうと調べたら、同時代の大好きな「枕草子」(清少納言)に、
<削り氷にあまづら入れて・・・いみじううつくしきちごのいちごなど食ひたる>と。
キャッキャッいいながら氷を削ったのだろうか。現代の名水でも熊本阿蘇には「ざるそばをつけて食べる」ほどのうまい水が湧くそうだ。
こう暑いと、水がこんなに美味しかったかと気付かされる。
どれ、実家からもらってきた「西瓜(すいか)」でも食べるか。
「西瓜」は字のごとく中国からの伝来だが、中国もまたその西からの伝来だったので「西瓜(西からの瓜)」という漢字だ。西とはどこだ?エジプトだ、それも紀元前2000年も前から。日本に伝来するのに3000年以上の旅か。DNAはナイルの水だ。なるほど、暑い国からの贈り物も、言い得て妙だ。