好奇心okinawa’s blog

観光タクシーから見た沖縄

小説「幽霊」

イメージ 1人はなぜ追憶を語るのだろうか。・・・おぼろげな昔に人の心に忍び込み、そっと爪跡を残していった事柄を、人は来る年も来る年も反芻(はんすう)しつづける。・・・わけもなく桑の葉に穴をあけている蚕(かいこ)が、自分の咀嚼(そしゃく)するかすかな音に気づいて、不安げに首をもたげてみるようなものだ。
 
なかなか、いい文章ですね。北杜夫の小説「幽霊」の書き出し。「どくとるマンボウ航海記」などが有名だけど、
ある文学少女(ん、心が?-ここは、笑うところです!)にこれもいいよ!と言われて古本屋を探し回ってみつけた、垢汚れた文庫本「幽霊」。
あ、亡くなったのか・・・、84歳。こんなこともあったかと、かすかな音が。