好奇心okinawa’s blog

観光タクシーから見た沖縄

一人の女性客

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朝から雨が降ったり止んだり。お、無線呼び出し。空港だ。女性の一人旅行かな。よっしゃ、ちょっと早い時間だけど、来たついでだ、空港に待機するか。
ん、荷物なし?見送りに来た帰りかな。一人の女性が乗り込んで来た。「八重瀬(やえせ)の○×クリニックですけど、分かりますか?」 うへぇ~、八重瀬町だ!雨に煙る田舎をドライブできる(笑) 
ん、もどってちょうど昼飯の時間か、ついでだ、また空港で飯食いながら待機だ。ありゃ、また女性だ。なんか急いでるな。「読谷(よみたん)お願いします」 (ひぇ~読谷!) 読谷ですね。え~と、読谷はどちらの方ですか。「近くに行ったら教えますので・・・祖母が危篤なんです。」、「あ、はい、では取りあえず58号線を。飛ばしますので。」

イメージ 1ふぅ~、無線呼び出しから、空港、八重瀬、読谷か。こんな日もあるんだよな。そうだ、比謝川の(↑写真)橋のたもとの吉屋チルの歌碑でものぞいていくか。500年も前の琉球時代の歌人、わずか8歳で那覇遊郭に身売りされ、物心ついた頃からどうにもならない運命を歌に託し、19歳で短い人生を終えた、あの吉屋チルだ。彼女の詩は、素朴で素直で飾りっ気がなく、ほんとに胸打たれる。
<恨む比謝橋(ひじゃばし)や 情けないぬ人の わぬ渡さともて かけておきやら>
(恨みの比謝橋よ。情けの無い人が自分を渡らせるために(その木造の橋を)かけておいたのか)
わずか8歳の時比謝橋のたもとで母の手を離れ一人遊郭の人に手渡された記憶を詠んだんだろう。

いやぁ~今日はもう十分すぎる。帰ろう。
帰社したら社長の奥さんが受付に。「お疲れさん。これ届いてますよ。生品物と書いてあるんで、冷蔵庫に保管して置きましたよ」と。 誰?鹿児島・・・?あ、彼女だ!覚えているだろうか、先月の初め頃、傷心旅行で来たという女性を2日間あちこち案内した。「海が見たい」と、「アポガマに感動した」と、「こんなことでくよくよしてたのが馬鹿みたい」と言い残し笑顔で帰った。イメージ 3いやぁ~、まさか、小包まで送ってくれるとは。特に何をしたということもないのに、ま、少しはお役にたったのかな。お、あの元宮崎県知事の東国原が全国区にした「宮崎地鶏」だ。
・・・ん?そう言えば、今日の空港も八重瀬も読谷も、みんな女性一人のお客だったな。・・・なんか、一人の女性に縁がある一日だな。