好奇心okinawa’s blog

観光タクシーから見た沖縄

ソメイヨシノの季節

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2011年の3・11から4年後のついこの間の被災者のコメントで、なかなか忘れられないコメントがあった。「前に進まなくちゃいけないとは分かっているんですが、怖いんですね。後ろを振り向くんです。だんだん記憶をわすれていくのが。」
この3月末から4月にかけては自然界も子育ての季節だ。スンマセン、また70年前の沖縄戦の話になるが、3月末に那覇の目と鼻の先にある慶良間諸島やチービシ(無人の環礁島)に米軍が上陸し、そこを足ががりに4/1に本島に上陸した季節。上陸の前にはその上陸を助けるための猛烈な艦砲射撃や空爆がされるのが常だ。沖縄のそれは「鉄の暴風」と呼ばれ、言葉で言うのは簡単だが、例えば「5月の長雨でもこんなには降らない」という言葉から想像できる。艦砲が止んだ束の間に外に出た時のある兵隊の手記がある。「小鳥が飛び回り、卵やヒナのめんどうを必死に守っていた」と。

イメージ 1戦艦大和も瀬戸内海の岸辺の桜を見ながら帰途のない沖縄に向け出撃した。桜を飾りに出撃した特別攻撃隊(カミカゼ特攻隊)もいた。
ソメイヨシノの写真、ありがとね。季節は間違いなくめぐって懐かしい景色が昨日のように思い出される。「怖いんですよね、過去の記憶が薄れていくのが。」
咲き始めた桜が「よ、久しぶり」とお隣りの木に声をかける。あれっ、あそこの木は・・・駐車場になってる。なんて会話が聞こえてきそうだ。前に進まなくちゃいけないけど、過去を振り返るのを止めちゃだめですよ。