好奇心okinawa’s blog

観光タクシーから見た沖縄

人災か

<A straw show which way the wind blows.> 一本の麦わらで風向きがわかる・・・日本のことわざでは<一葉落ちて天下の秋を知る>だ。 
韓国客船「Sewol(セウォル)号」の沈没、タイタニックのように船底がなにかにぶつかって穴が開いたわけではなかった。完全な人災だ。過積載だ。ドミノ倒しのように荷崩れが起きて操舵室のコントロールが効かず、船が片寄った重量の方へ急激に蛇行し始めた結果だ。傾いた甲板が水面より下になったら、もうアウトだ。・・・原因は、わかってしまうと意外でもなんでもない。
 
家族たちの怒号が悲痛な沈黙に変わってきた。誰に怒りをぶつけたらいいのか。目いっぱいの貨物・客をのせて利益を優先した会社か、「室内に残れ」とアナウンスした客室乗務員か、その時操舵してた20代女性の3等航海士か、政府か、あの悪天候か。事故は複数の要因が交差点でぶつかった時に起こるようなもんだ。あれだけの悪条件で救助活動を行った人たちを「もっと急げ、もっとできたはずだ」と責めるのはお門違いだろう。救命ボートも下ろさず真っ先に逃げ出した船長・機関士たちの乗務員、こんな船に乗り合わせた悲劇、人災だ。
 
イメージ 1そう言えば、一昨年だったかな、地中海でのイタリア客船「コスタ・コンコルディア号」座礁の時も船長はいつの間にか避難客にまぎれて先に島に脱出してたな。コスタ社の客船は若狭バースに今でも結構寄港しているんでそのたびにあの事故を思い浮かべる。あの時の沿岸警備隊長の言葉がまだ記憶に残っている。「今すぐ船に戻れバカやろう。わかったか。今は私が最高責任者だ。これは命令だ」と怒鳴っていた。
なんだろう。原因の発端はちょっとした油断だ。まるで・・・風に揺れる一葉だ。