生きる

「生きるって大変だねぇ～」　ﾄﾞｱ前でばったり出会った2F住人の大先輩が声をかけてきた。いつも顔を合わせると気さくに言葉をかけてくる。これが短い言葉なのに一言一言にいつも感心させられる。

 

昼過ぎ、おばあちゃんを乗せた。足腰が不自由で座席に乗り込むのさえ一苦労の様子。「はい、おばあちゃん、どちらまで？」、顔を近づけないと聞き取れないほどの小さな声で「博愛病院へお願いします」と。　しまった、場所は知ってるが入ったことはない。到着。あちゃ～、敷地内に建物が何棟もある迷路のような病院だ。会話のやり取りがｽﾑｰｽにいかないまま、あぁ～、やっぱり、入口を間違えていた。降ろして戻る途中に気がついた。足が不自由なのにあれから建物内をずいぶん歩いたろうな。ｽﾝﾏｾﾝでしたおばあちゃん、あぁ～後の祭りだ。

 

こんなに魚をもらってどうしようか。お、こりゃ、ｻﾝﾏか。しかもﾃﾞｶい。よし晩飯はこれでいくか。山盛りでｻﾝﾏの塩焼き。あとは大根皮の甘酢漬けにご飯と味噌汁だけ。ん～っ、うま～い！一匹にご飯一杯ﾍﾟﾛﾘ。２本も平らげた。世間は車海老だ芝エビだと大騒ぎ。偽装するほどのものか。日本人よ大丈夫か。こんなｻﾝﾏに感動する安上がりのありがたみを忘れたか！ほんと、生きるって大変だ。