ひとにくし
貴族文化華やかなりし10世紀前後の平安時代に男文字(漢字)をくずして、「ひらがな」が女専用文字としてできた。書き出しに「男もすなる日記といふものを女もしてみむとてするなり(男が書いてる日記というものを、女も書いてみよう)」とは男である紀貫之(きのつらゆき)が女を装ってひらがなで書いた「土佐日記」だ。
その土器片にかろうじてよみとれる最古のひらがな「ひとにくしとお(も)はれ」の文字。「人憎し・・」、か?いやいや、そうじゃないだろう。ラブレターだったとしたらどうだ。その頃は男が女に恋文を送るのに(和歌も含めて)「ひらがな」をつかわざるをえなかった。となると・・・男が書いたとなると、「こんなに夢中にさせるあなたは、ほんとに憎らしい・・・」とも読める。ははっ、考えすぎか。
土器片に残る「ひらがな」の魔力、携帯メールの絵文字では、そうはいかない(笑)。