好奇心okinawa’s blog

観光タクシーから見た沖縄

残心ざんしん)

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好きな日本語に剣道でよく言われる「残心」がある。打ち込んだあとすぐさま相手の反撃に備えて構(かま)えの姿勢をとることだね。その「残心」の構えが出来ていないと「1本!」とはならない。緊張を持続する心構え。

見えるのにあえて障子を閉める。「郊外の畑の向うの、はるかかなたの夜空に、ぱっと拡がる花火も味のあるものだ」と。欠けた情報を心で補う、こんな花火を楽しむ人もいると言う(天声人語)。
名古屋市の郊外の日進(にっしん)市の花火大会では福島製の花火だけが外されたという。「放射能をまき散らす」などの数十人(たった!)の苦情のため。そんなことが京都の五個山送り火の時も話題になった。京都府の場合は中止の報に逆に多くの市民から苦情にあってその後東北へ詫びに出向いた。今度の名古屋は、・・・<一部の異論に折れた主催者に、情けない思いを抱いた市民も多かろう>とコラムには記してある。板挟みの府職員の気持ちも察したのだろう。欠けた情報を心で補うのもよいが、いきすぎは風評被害にもつながる。

台風15号、大都市名古屋市の真中を流れる庄内川の氾濫が名古屋市民の数十万人を避難させる事態になっている。どれほどの被害かはメディアの映像でしか想像出来ない。欠けた情報ではとても被災者と同じ心境にはなれない、だからか、日進市の福島製花火中止のニュースがだぶる。
京都紙の読者コラムにこんな詩が。<桃を買おうかと迷っていた。店先に大きく手書きの「福島産」の看板。迷わず買った。> 
「残心」は心の構えであって、心残りという意味ではない。