好奇心okinawa’s blog

観光タクシーから見た沖縄

臨終の言葉

イメージ 1

臨終に臨(のぞ)んで、森鴎外は最後につぶやいたと伝えられる、「ばかばかしい」。井上靖は「臨終とはこういうことだ。しっかり見ておきなさい」。徳川夢声は「おい、いい夫婦だったなあ」。いずれも最後は、自分が残していく家族に最後のまなざしを向けている。それが普通に違いない。(読売「編集手帳

また、スーちゃんの話し。告別式で肉声のテープが流れた。「東日本大震災から2週間たちました」と震災の言葉から始まっている。「もっと女優を続けたかった。」井伏鱒二(いぶせますじ)の「黒い雨」で、放射能で世間の偏見にさらされ亡くなっていく役を演じ、主演女優賞をはじめ数々の賞を総なめにした。19歳だった弟をなくし、義妹の夏目雅子を若くして亡くし、そうした過去があるからだろうか、「必ず天国で被災された方のお役に立ちたいと思います」と。感謝、お礼、恩返し・・・で埋められた3分20秒のテープ。
「(夫の)一(かず)さん…よろしくね。その日まで、さようなら。」
最後の、家族(夫)への一行(一言)に万感の思いを感じたね。こんな人が、いたんだ。