好奇心okinawa’s blog

観光タクシーから見た沖縄

何故なのか

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詩人が居た。昨年91歳で亡くなった長崎被爆歌人竹山 広。若いときから詩を作るのは好きだったと言うが、沈黙の歳月を背負い続けて61歳にして歌集を出したのは、夢に脅かされて作り得なかったという。

<かの夏を 生き得たること 今日われに 見逃されたる 蟻のごときか>
指でつぶされたかもしれない蟻(あり)、見逃された蟻、紙一重
逆らえない運命、無常さをうたう。

ニュージーランドで大きな地震が発生した。未来に夢を輝かせてここクライストチャーチを勉学の地に選んだ若者達がまだ安否不明。私も同じ歳頃右も左もわからぬ外国に留学したことがある。居てもたっても居られない家族の心中は察するに余りある。ユウもカナダ留学経験があるからわかるよね。
竹山さんの詩に、
<居合はせし 居合はせざりしこと つひに 天運にして 居合はせし人よ>
広大な太平洋プレートの淵で、なぜニュージーランドか、なぜわざわざ人が集う街の直下なのか、なぜこの建物なのか、なぜわが子が居る時なのか・・・。

非日常の体験は日常生活に沈澱して、非体験者の安易さを告発する・・・(朝日天声人語) 
どんな言葉でも体験者の心情には近づけない。ブログに書くことさえ気が引ける・・・。