昭和は遠くなりにけり

つい先日の６大学野球早慶戦、九回表一死一、二塁の早大のチャンスで突如終了、全日本剣道の生中継に切り替わって苦情の嵐に見舞われたＮＨＫ。またやちゃった。昨夜日曜日「龍馬伝」の最終回で、坂本龍馬が暗殺されるクライマックスシーンに、な、なんと愛媛県知事選の当確を伝える速報テロップ！約１時間で２００件あまりの苦情。「興ざめした」、「きれいな映像で録画したいので再放送の予定を知りたい」と。

昔、知人と渋谷で映画を見ていた。暮れの競馬の締めくくり「有馬記念」の中継が気になって抜け出してＴＶのあるロビーに行った。同じ気持ちの競馬ファンが数名いたが、残念ながら同じ時間帯に「早明ラグビー戦」熱戦放映中で学生連中が声援を送っていた。スタート時間が近づいてくると競馬ファンらしきおじさん連中の数が目立って集まりはじめてきた。いよいよスタートという時間になった。な、なんと、うち一人のおやじがすすっと前に出てＴＶを「競馬中継」にガチャリときりかえた。学生連中から怒号が湧いたが、おやじ連中の静かな「殺気」にその声は次第に静かになっていった。
いやぁ～その時の映画はなんだったか忘れたが、その場面だけは鮮明に覚えている。最低人気に近い「プリティーキャスト」という牝馬が捨て身の大逃げで超番狂わせをおこしたが、その時のため息と不気味な雰囲気の映画館のロビー。

思い出しても、超レトロな笑いたくなる記憶だ。今では携帯ワンセグでＴＶ中継は見られる。個人主義のはびこる今の世の中だ。雑多で人間臭味の残っていた時代が懐かしい。
(写真：昨日のｼﾞｬﾊﾟﾝ･ｶｯﾌﾟで1位も妨害降着で2位になった現役最強馬ﾌﾞｴﾅﾋﾞｽﾀ)