置き去り
小さい頃、理由は忘れたけど、子供どうしのささいな喧嘩だったと思うが、一人海岸から家に帰ったことがある。｢砂山｣は家からは近くはない。子どもの足で走っても40分、下手すりゃ1時間近くはかかったんじゃないか。
曲がりくねったｻﾄｳｷﾋﾞ畑、地肌むき出しの琉球石灰岩のｼﾞｬﾘ農道、誰もいない、近付く夕暮れに最後は泣きじゃくりながらひたすら家目指して走った記憶だけはある。
山道でお仕置きで下ろされたと言う小2の男の子、はたして山のなかに駆け込むだろうか？車が去った道を泣きながらひたすら追いかけると思う。
父親の｢戻ったらいなかった。世間体を気にして、捜索依頼がおくれた｣と。
解せない。我が子が山で行方不明になってるというのに、必死さが全然伝わってこない。今の若い両親はこんな時でもこんなに冷静でいられるのか？狂言じゃないかと思う自分の方が、おかしいか？
