じゃ、また

出航までまだ時間がある。車をふ頭待機にしておいて、電話。おはよう、朝のｺｰﾋｰでも・・・えっ、もうﾌｪﾘｰの中、あれからﾀｰﾐﾅﾙで一夜を過ごしてそのまま朝のﾌｪﾘｰに乗り込んで横になってると。

なんとまあ、えっつ忘れ物？昨夜酔い過ぎて、店に上着を忘れたという。時間は・・・まだ大丈夫、急いで店に戻って椅子の陰にくるまって落ちてた上着をとってきて、栄養ﾄﾞﾘﾝｸとｱｯﾌﾟﾙﾊﾟｲを紙袋に一緒に詰め込んで、ふ頭にもどる。あ、ﾛｰﾌﾟが外されﾀﾗｯﾌﾟをｸﾙｰたちが上っていき、まさにﾌｪﾘｰが出んとする。おいおい、待てまて～、電話だ、「ﾃﾞｯｷに顔を出して！」、出てきた稲守さんに紙袋を放り投げ渡す。「じゃ、また！」、「ありがとう！」

昔は色とりどりの紙ﾃｰﾌﾟが切れるまで出ていく船を追いかけ見送ったもんだが、紙袋を放り投げるさよならも粋なもんだ。

ﾏｲﾅﾝﾊﾞｰ(官僚賄賂)、消費税(軽減税率)、TPP、原発再稼働、辺野古埋め立て承認取り消し、混迷のｼﾘｱに難民救済問題・・・異常気象に自然災害、高齢化社会に介護、育児に待機児童に児童虐待・・・ﾈｯﾄﾜｰｸ(情報戦争)にﾊｯｶｰにｾｷｭﾘﾃｨｰに、まさか、またか、まだか・・・消えていくもの、生まれてくるもの、再生してくるもの、繰り返すもの・・・普通、追いつかんだろ、なにかを切り捨てなければ。

じゃ、また。ありがとう。・・・そうでなくとも、日常だっていろいろあるのに。