開化宣言

東京もついにｿﾒｲﾖｼﾉ開花宣言。日本で最も美しい1週間が始まるねぇ～。卒業式や入学式とﾀﾞﾌﾞるからかも知れないが、野暮な話をすると、今日3/23日は70年前のあの「ひめゆり（一高女）」の女学生たちに召集（看護隊として）がかかった日。米軍上陸（実際の上陸は4/1）が明日にも有るかも知れないと切羽詰まってた日でもある。確か＜月夜の晩校長住宅前にﾓﾝﾍﾟ姿で救急箱をたすき掛けにした女学生たちが集まって出動命令を待っていた＞との記述だ。延期延期でついに卒業式を行うことなくその日が来た。ま、・・・その話はいいか。

帰社の途中におばあちゃんの手が上がった。波の上ﾋﾞｰﾁ通りだ。あと1組なら時間ギリギリで乗せられる。「海は、いいねぇ～」、「今日は暑かったでしょ？」、「裸足で波際を歩いたり、階段に座ってただ眺めてうまい空気を吸ってるだけで幸せになるさぁ～」　どう見ても80歳は超えてるのに、元気なばあちゃんだ。「夜はお店をやってるんだけどね、疲れると海がみたくなって居ても立ってもいられなくてつい来ちゃうんですよ。」、「お店はなにを？」、「山羊料理店、さかえというんだけどね、お客さんがいい客ばっかりでね、幸せさぁ～」、「いい店にはいい客が集まりますよ。そのお客さんたち、きっとおばあちゃんに会いに来るんですよ」　あれこれ話をしながら目的地へ。きっと、さかえという店は自分が知らないだけで結構有名な店かも知れない。

「運転手さん、前に一度のせてもらってるでしょ」　えっ？目的地がｸﾞﾗﾝﾄﾞｵﾘｵﾝ通りで・・・あっ、その一つ路地裏の竜宮通り（通称年金通り）に入るのか・・・そうか、だったら一度乗せてる。「おばあちゃん、今度お客さんが＜山羊料理＞と聞いてきたら、この店を紹介するからね。その前に、今度、私も寄りますから」、「そうねぇ～、その時は必ず、あの時の運転手だと言ってよ」　あ、お釣りいいからね（820円に千円札で）。あ、これ持ってって、と袋包みを。なんとまぁ、明るく元気なおばあちゃんだ。

世の中いろいろあるが、こんな他愛のない小さな話もいいもんだ。