ﾊﾞｯｸﾐﾗｰ

那覇市内に２ヵ所あるﾀｸｼｰ協同給油所の一つ、壺川ｽﾀﾝﾄﾞ。ふう～、今日はなんかおかしな日だったなぁ。

名城～、聞いてくれ～。

 

空港、いかにもﾌﾞﾗﾝﾄﾞ品とわかる高価そうな皮製ﾊﾞｯｸを下げたお二人のご婦人。「ﾘｯﾂ○×*ﾎﾃﾙまで」　

一瞬、１、２秒、頭の中で考えた。人間って、一瞬にいろんなことを同時に考えられるもんだ。

　（えっ、去年の夏行った、名護のあのｺﾞﾙﾌ場横のﾎﾃﾙか？確か、ﾘｯﾂなんとかﾎﾃﾙだった。ｸﾗﾌﾞ･ﾊｳｽと見間違えてそのﾎﾃﾙへ向かってあわててU－ﾀｰﾝしたからよく覚えている。超長距離だ。確か自動車道をぶっ飛ばして１時間ちょっとかかった。・・・まてよ、こんな長距離間違えたらえらいことになる。念のため確認するか。那覇市内にﾁｪｰﾝ･ﾎﾃﾙがあるかもしれん。なんせ、やたら難しい名前のﾎﾃﾙが次々と知らぬ間にできてるから・・・。）

 

車のﾄﾗﾝｸを開けながら、「え～と、すみません、場所は、どちらになってますか？」

「知らないんですか？では、知ってるﾀｸｼｰに替えましょうね。すみませんね」と、そのお客さん、入れかけたﾊﾞｯｸを戻した。

・・・？？えっつ？なに？　一瞬、０．５秒、頭の中で考えた。ま、いいか！「すみませんでした」と詫びてﾄﾗﾝｸを閉め戻した。

運転席にもどった。知らないんですか・・・で、即、替えます・・・か。ﾊﾞｯｸﾐﾗｰにあのお客さんが後ろの個人ﾀｸｼｰに話しかけてるのが見える。ん？理由はわからんが、個人ﾀｸｼｰも首と手を横に振ってる。結局それにも乗らなかった。どうするのかな・・・お、今度はﾀｸｼｰ待機場の係員に・・・。どこでこんな面倒くさいことになったのか・・・、と、新しいお客さんが後ろﾄﾞｱをﾄﾝﾄﾝ叩いた。あ、すみません、気が付かなかった、どうぞ！こんなこといつまでも考えてられん。