雨の中の母子

あと一人乗せれば・・・区切りのいい気持ちの良い数字になる。帰社時間までの残り時間は・・時計とにらめっこ。なんどもこの「あと一人」の前に諦めた。今日は昼過ぎからの雨だ、いつもよりは可能性は高い。頭を切り替えて思い切って人気のなくなった繁華街の路地へ敢えて進める。と、来た～、赤ん坊を左手に抱きかかえ右手でﾍﾞﾋﾞｰｶｰを引きずってる若いお母さんが目と頭で合図だ。速攻で隣りへ寄せﾄﾗﾝｸを開けﾍﾞﾋﾞｰｶｰを押し込める。ﾜﾝﾒｰﾀｰの近距離だが、逆に帰社時間内にｷﾞﾘｷﾞﾘ戻れるからこっちも助かる。

 

「もうすぐ、家だからね～」赤ん坊をあやす母親の声を聞きながら目的地に到着。ほぉ～、居酒屋「天の蔵(あまのくら)」の隣りのｱﾊﾟｰﾄか。懐かしいねぇ～、狭い店内にぎゅうぎゅう詰めの客を一人で見事にこなす手際のいいママさんがいる店だ。元気でやってるだろうか。

 

本日のﾀｸｼｰ業務無事終了。今日は病院ﾃﾞｰ・・大浜第一、首里松城ｸﾘﾆｯｸ、南部医療ｾﾝﾀｰ、糸数医院・・・しかも、降ろしたところですぐに次のお客が見つかるというﾗｯｷｰが4度も続いた。こういう日もあれば、流しても流しても見つからない疲れるだけの日もある。なにか目に見えぬものにｺﾝﾄﾛｰﾙされてる一期一会だ。