好奇心okinawa’s blog

観光タクシーから見た沖縄

鏡(かがみ)

茶店の窓越しに、知った人の姿が。「あれっ、あの人、アメリカにいたんじゃなかったのかなぁ・・・」。翌日、その知った人がアメリカで事故で亡くなったと知る。その喫茶店では「誰かに似たひと」を見かけると、その人は死ぬといううわさがあった。入口近くの「鏡」で身だしなみを整えて<自分そっくりな人をみかけると、わたし死んじゃうかしら・・・>なんて思いながらコーヒーを注文。しばらくして店を出る。「あれっ、ここにあった鏡は?」・・・違う!私、ドア窓越しに「自分の似たひとを」を見ていたのだ!きゃー! 外に飛び出した彼女は、車に・・・。「はい、カッ~ト」、喫茶店での映画撮影だった。
不信任決議・・・茶番劇で終わった。どっちもどっち。「鏡」に写せば似たようなものだ。これを英語では
The pot calls the kettle black. (ナベがヤカンを黒いといっている)というそうだ。日本では、ちょっと汚いけど「目くそ、鼻くそを笑う」という。つまらない短編小説を読んでるようだった。

上の話にはオチがある。撮影を終わった女優さん、洗面所に入って化粧をおとし出てくる。と、喫茶店マスター役の男優が「あれっ、さっき鏡にひびが入っていたので取り外されてたはずだよ」、「・・・あの人は、誰?」(短編「誰かに似たひと」阿刀田 高)